【実践編】医院経営を強くする“データドリブン集患” 〜 Web施策を数字で回す
はじめに｜感覚的な集患から、数値に基づく戦略へ
「最近ネットからの新患が減った気がする」
「ホームページは見られていると思うが、効果が実感できない」
このような“なんとなく”の集患管理では、再現性のある戦略設計はできません。今、成功している医院の多くは、Googleアナリティクス（GA）やGoogleビジネスプロフィール（GBP）を使ったデータドリブンの集患施策を実行しています。
本記事では、医師・歯科医師が最低限押さえておくべき指標と改善方法をわかりやすく紹介します。
1. なぜ“データ”が必要なのか？
Web施策における「失敗」は、実は施策の内容ではなく、“結果を測っていないこと”が原因であることが大半です。
例えば、
- アクセスは多いが、予約にはつながっていない
- マップ検索では表示されているが、クリックされていない
- 口コミの件数はあるが、直帰率が高い
これらはすべて、“データを見ればわかる現象”です。つまり、改善すべき点が数字で可視化されれば、成果は着実に上がっていくのです。
2. Googleアナリティクスで“サイトの問題”を発見する
Googleアナリティクス（GA4）では、以下のようなデータが確認できます。
- ページ別アクセス数：どのページがよく読まれているか？
- 平均エンゲージメント時間：どれくらいの時間見られているか？
- コンバージョン数：予約完了ボタンが何回押されたか？
- 流入経路：検索？広告？SNS？どこから来ているか？
これらを見ることで、たとえば「矯正のページは読まれているが、予約に至っていない」など、ページ単位の課題が明確になります。
3. Googleビジネスプロフィールの“意外と知られていない指標”
Googleビジネスプロフィールでは、以下の指標が重要です。
- 検索数：「医院名」や「歯科 二子玉川」などのキーワードで何回表示されたか？
- マップビュー数：Googleマップ上で何回見られたか？
- アクション数：経路検索、電話、ウェブサイトクリックなどの回数
これにより、「検索には出ているのに予約されない」「閲覧はされているが経路検索が少ない」など、MEO上の導線改善点が明確になります。
4. データから「改善すべきポイント」を見つける
データを分析した後、次のような改善アクションにつなげましょう。
- アクセスはあるが滞在時間が短い→情報不足 or デザインの導線ミス
- 矯正ページはアクセスがある→このテーマで広告・投稿強化すべき
- マップ検索は多いのに予約が少ない→口コミ対応・写真・診療時間情報を見直す
ポイントは、「感想」ではなく「数字」に基づいて判断することです。
5. Google広告は“キーワードごとの成績”が命
Google広告を運用している医院は、次の指標を必ず確認しましょう。
- クリック率（CTR）：広告が何％クリックされているか？
- クリック単価（CPC）：1クリックにかかる費用は？
- コンバージョン率：クリック後、何％が予約に至ったか？
- キーワード別成績：「矯正 無料相談」「インプラント 相談」など
特に自由診療では、“来院につながったキーワード”を特定し、そのキーワードのSEO・MEO・広告を強化することで高い費用対効果が得られます。
6. データ分析は“月1回のルーティン”に
最も重要なのは、これらのデータ分析を継続的に行う体制です。
理想的には毎月1回、以下のようなルーティンを設けるとよいでしょう。
- Googleアナリティクス → 人気ページと予約率の確認
- Googleビジネスプロフィール → 検索数・行動数の推移を確認
- Google広告 → キーワードごとの成績と予算配分を見直し
- 口コミの件数・返信率のチェック
これらを医院内で確認するか、Web担当者と共有することで、数字に基づく経営判断が可能になります。
まとめ｜“データを読む医院”が生き残る
今後の医院経営において、感覚や経験だけに頼った集患戦略は限界があります。
SEOやMEO、広告運用などはすべて「測定できる」からこそ、改善・強化が可能なのです。
・数字を“現場の声”ととらえ、改善につなげる
・データを軸にした戦略でスタッフと共有・実行する
・成果が出たら再現性のある形で“仕組み化”する
これが、集患をコントロールできる医院経営者の条件です。
