【解説】「GoogleのAI回答でトラフィックが激減する」は本当か?
最近、「GoogleのAI検索回答(SGE)の影響でWebサイトのトラフィックが激減する」といったことを耳にして不安になるケースが散見されています。
結論からいうと、
「AI検索回答(SGE)は、歯科医院など地域ビジネスにとって脅威とはならず、むしろトラフィック向上の一因となり得る」
といえます。
その理由について、以下に分かりやすく説明します。
「AIが答えてしまうから、Webサイトが見られない」は本当か?
一部の海外メディアでは「SGEの影響で検索流入が減少している」といった報道がありますが、これは情報検索(インフォメーショナルクエリ)に限定した話です。
たとえば「根管治療とは?」「インプラントとは?」「CR修復とは?」のように、意味を調べたいだけの検索であれば、AIの要約を読んで、ブラウザを閉じ、離脱するユーザーが一定数いるため、トラフィックの一部が減少することは事実です。
しかし、実際の歯科医院の集患に関わる検索(例:「駅名+歯医者」「子ども 矯正 地域名」など)は、医院を比較・検討する「ナビゲーショナルクエリ」や「トランザクションクエリ」に該当し、以下のような行動が前提となります。
•Googleマップやクチコミを見る
•ホームページで実績や先生の雰囲気を確認
•予約を取る、電話をかける
AI検索が出てきても、これらの行動は省略されません。
つまり、「医院を探している人」にとって、AI回答は単なるきっかけや補助にすぎないのです。
実際、クライアント様ではどうか?
SGEが表示されるようになって以降、私のクライアント様では以下のような傾向が見られています。
•前年同月比で検索流入が増加している医院がほとんど
•AI回答に掲載されている内容と、SEO評価による上位表示が一致しているケースが多い
これは、Googleが「質の高いサイト」をSGEと検索結果の両方に表示する設計を取っているためであるといえます。
つまり、正しいSEOに取り組んできた医院様は、むしろAI回答の恩恵を受けやすい構造になっているのです。
トラフィック減少を煽る「切り取り情報」にご注意ください
「AIでアクセスが減るのではないか?」「今すぐ対策をしなければならないのではないか?」といった不安は、テレビ報道などで問題となる「切り取り報道」と本質的に同じ構造の情報からくるものと考えられます。
いたずらに不安になる必要はなく、また焦って何かを契約してしまう必要もないため、じっくり情報を集めることをおすすめいたします。
信頼できるソースと見解
以下は、実際にAI回答とSEO評価が一致してきていることを示す参考記事です。
•Search Engine Land:SGE shows similar domains as top organic results
https://searchengineland.com/sge-showing-organic-sources-434889
→ SGE(AI回答)に表示されるサイトは、従来のオーガニック上位サイトとほぼ一致。
•Google公式ブログ:SGE aims to complement search, not replace it
https://blog.google/products/search/generative-ai-search/
→ Google自ら「SGEは検索体験を補完するものであり、検索結果を破壊するものではない」と明言。
これらからも分かるように、Googleが自ら検索ビジネスの本質を壊すことは考えにくく、むしろ質の高いサイトがますます有利になる流れが続いています。
AI回答(SGE)は「恐るに足らず」です
AI回答の登場により、検索行動の一部には変化が出るでしょう。しかし、それはあくまで「調べ物検索」に限った話です。
歯科医院を探すユーザー行動は、従来どおり“比較→安心→予約”という流れが基本であり、SGEによる影響はごく軽微、あるいはむしろプラスに作用します。
正しくSEOに取り組み、ユーザーにとって役立つコンテンツを用意してきた医院様ほど、AIにも評価されやすくなってきております。